6月6~8日にトビシマカンゾウが咲く佐渡島へのツアーに参加した。以前から、トビシマカンゾウが咲く
大野亀に一度は行きたいと思っていたので、時期も良いこのツアーを選択した。
島へは高速のジェットフォイルで両津に入った。両津では、ふれあいガイドの案内で町中を小一時間歩いた。
佐渡島の歴史を聞きながら、古い町並みや寺を見学して歩いた。
その後、観光バスでトキの森公園へ向かった。公園ではサドッキーが出迎えてくれた。丁度放鳥したばかり
で、運が良ければ飛ぶ姿が見られるかも知れないとの事だったが、残念ながらそれは叶わなかった。トキふれ
あいプラザでは幼鳥が数羽見られた。幼鳥は羽がまだ灰色をしている。
そこから長谷寺に行った。由緒ある古い寺で、住職が中の案内をしてくれた。なんでも話し好きな方で、面白
おかしい話を聞きながらの小一時間の案内だった。写真にある蔵経は、経の廻りを一周すれば経を全部
読んだ事になるというありがたーい所で、私も一周してみたが、功徳があるやらないやら。『はせのねがえちゃん』
なるものも中に立っていた。また、境内にはウサギが沢山いたが、経費節減で雑草を食べさせる為だとか。
翌日、いよいよトビシマカンゾウを見に行った。最初に二つ亀に寄った。そこからは大野亀が近くに見えた。
そして、大野亀に来た。カンゾウは見頃だという事だが、花の命は3日程で一帯がカンゾウで黄色という訳
にはいかないようだ。それでもかなりの花の数だ。尖った岩が大野亀で、定番の構図がそれをバックにカンゾウ
というところだ。今来た方角には、二つ亀が見えた。トビシマカンゾウの花は大ぶりで黄色みが強いので、
ボリューム感たっぷりだ。また、群生している様は素晴らしい。
次にいったのが、七浦の夫婦岩。いかにも夫婦という姿という事だ。浜にはヒルガオが沢山咲いていた。
そこにある土産物店で食事をしたが、名物?ブリカツのぬいぐるみがぶら下がっていたのが面白かった。
その後、北上して尖閣湾へ行き、そこで海中透視船に乗った。船の底がガラスになっていて、魚や海藻を
見る事が出来るが、たいした物は見えない。それより尖閣湾の景色の方が楽しめた。船の廻りでは、沢山の
カモメが飛んでいたが、餌をあげているからだろうか。展望台に向かう途中の岩場には、カンゾウやイワユリ
が咲いていた。上から見る尖閣湾もなかなか素晴らしい。
そこから、佐渡金山に向かった。金山の坑道に入ると、その昔の作業の様子を再現してあり、時代劇を見る
ようで結構楽しめた。売店では、名物金粉入りのアイスコーヒーとソフトクリームを食べたが、特に変わった味
がする訳ではない。バスは大佐渡スカイラインを通って、白雲台に行った。そこの売店には、木彫りのトキの
郵便ポストがあった。白雲台からは両津港や加茂湖を眼下に見下ろせる。また、直ぐ上には、ミサイル観測用
レーダーが見えた。
その日はこれで宿へと戻ったが、丁度夕暮れ時で、部屋から加茂湖の夕景を撮影出来た。加茂湖には
カキ棚が沢山設置してあり、風情があった。その晩、近くの諏訪神社能舞台で薪能が行われ、能の鑑賞へと
出掛けた。演目は『花月』というものだった。佐渡には多くの能舞台があり、あちこちで薪能が行われる。
いよいよ最終日。朝、宿で佐渡牛乳を飲んだが、パッケージにトキのデザインが印刷されていて、可愛らしい
ので写真を撮った。この日も観光バスで廻ったが、最初に向かったのは小木で、たらい舟に乗った。港内を
ぐるっと廻るだけだが、観光用のたらいで安定しているが、漕ぐのはかなり難しいようだ。
次に向かったのが宿根木で、江戸時代に発展した回船業集落との事で、独特な町並みになっている所だ。
写真の家は三角家と呼ばれ、舟形をしていて、JR大人の休日のポスターで、吉永小百合さんがモデルと
なって評判だったものだ。ほかの家々も趣がある所が多くあった。舟形の手水鉢も面白かった。溝の廻りでは
ユキノシタの花が咲き誇っていた。
次に向かったのは佐渡歴史伝説館で、途中の海岸の岩が、人の顔の様に見えて面白かった。岩場には
必ずと言って良い程イワユリの赤い花があった。伝説館では、佐渡の伝説物語をひとしきり聞いた後、昼食
となったが、手前の売店ではあのジェンキンスさんが、煎餅売りの手伝いをしていた。また、その後行った
尾畑酒造では、娘さんが案内をしてくれて、拉致被害者に思いを馳せる事となった。
最後に、佐渡には一か所の五重塔がある妙宣寺に行った。生憎雨が降っていて、落ち着いて廻れなかった
が、茅葺きの建物が素晴らしかった。境内の庭にはサツキとショウブが綺麗に咲いていた。そこから両津港に
行く途中の田んぼで、偶然にも飛んでいるトキの姿を、バスの車窓から見るという幸運にも恵まれた。
後はフェリーに乗って新潟へ行き、新幹線で東京に帰るだけだ。フェリーは2時間以上掛かり、結構退屈だが、
その間カモメはずっと餌を狙って船を追い掛けてきた。途中、ジェットフォイルに追い越された。
今回は、梅雨入りしたのに大した雨にも遭わず、雨男の私としては幸運だった。