北東北の遅い春

 5月の連休前に、北東北の遅い春に咲く桜を見るツアーに参加した。桜の開花情報では、どこも
咲いていないという事だったが、仕方がない。添乗員もこれは桜の木を見るツアーと言っていた。
中尊寺から弘前城・八甲田雪の回廊を廻る2泊3日の行程だ。
 まずは中尊寺に行った。天気予報通り雨が降り、気温が低く寒かった。金色堂を見て、雨の中、
覆堂の屋根が光っていて、開く前の木の新芽も美しかった。戻りの月見坂の脇には、多くの猩猩袴
が綺麗に咲いていた。斜面にはカタクリの花も咲いていた。坂を下り切ると、お地蔵様の廻りに
桜が咲いていた。


 そこから北上展勝地に行ったが、桜はやっと咲き初めの状況で、雨と寒さで歩く人も殆どいない。
以前来た時の満開の様子を思い浮かべながら、鯉のぼりを見て戻った。桜の代わりにツクシを撮った。
次に小岩井農場と一本桜を見たが、枯れ木を見ただけだった。


 ホテルに着いて、部屋に入るとおもてなしのてるてる坊主に癒やされた。翌日、角館と桧木内川
に行ったが、花が咲くにはまだ掛かりそうだった。雨は小降りだが、寒さは相変わらず。歩くのも
いやで、樺細工伝承館に入って時間をつぶした。その後、鰺ヶ沢のわさおの古里に行き、土産物屋
でわさおのぬいぐるみを撮った。



 そして、やっとの事で今回の一番の目的地である弘前城に着いた。ここも咲き初めの状況だった
が、辛うじて本丸前の御滝桜が花を付けていた。天守に登ったが、生憎遠くは見る事は出来なかっ
た。そこから階段を下った所に、水芭蕉が綺麗に咲いていた。土筆も沢山出ていた。

 下乗橋と天守の写真は定番だが、桜の花が無くては様にならない。桜が無いので、コブシと丑寅
櫓の写真を撮った。桜祭りの雪洞も心なしか侘しい。連休明けには満開になったようだ。希望者に
はライトアップ見学の予定もあったが、希望者はゼロ。ホテルの前はスキー場で、まだ沢山の雪が
あり、翌朝、寒い中根明けの写真を撮りに出た。



 3日目朝一番に、津軽伝承工芸館に立ち寄った。こけし館もあり、こけしの飾りが目についた。
その後、城ヶ倉大橋で川を見下ろしてから、八甲田雪の回廊を通り、奥入瀬渓流に向かった。


 奥入瀬渓流は、殆どが車窓からで、唯一下車して目についたのが木の芽だった。雨が多かった
からか水量が多かった。また、河原はまだ雪に覆われている所が多かったが、水の色は綺麗だ。


 十和田湖畔に出ると、蕗が咲いているのを見つけた。その後遊覧船に乗り、休屋迄行った。
この日は天気も良く、外輪山が良く見えた。船は御倉半島と中山半島をぐるりと廻り、船の
グリーン室からは眺めが良かった。


 下船後、乙女の像迄行って戻った。湖岸には客待ちの白鳥がずらっと並んでいた。

 休屋からは、またバスで盛岡に向かった。途中発荷峠で十和田湖の写真を撮った。二つの
半島も良く見えていた。反対を見ると、斜面には雪が沢山残っていた。


 この日は快晴で、岩手山パーキングエリアから見た岩手山は素晴らしかった。盛岡駅行く前、
桜が咲いていない桜紀行のツアー客に、特別に石割桜を見に連れて行ってくれた。これは満開
で、やっとの事で満開の桜を見る事が出来た。感謝!感謝!

 桜の無い桜ツアーだったが、温泉にも入ったし、良い日を過ごせた。