クロアチア紀行(3)

クロアチア紀行(3)

(6日目)
この日は、旧市街の城壁巡りとモンテネグロの世界遺産コトル観光に行く事になっていた。ところが、
昨晩からのカキ中毒にらしい症状で、観光どころではなく、ホテルで寝る以外になかった。午後になる
と幾らか元気が出たので、ホテル近くの海岸迄散歩した。後で聞いた話では、城壁観光後、ミニクルーズ
で楽しんだ後に、コトルへ向かったとの事。ところが、バスが泥酔の運転手の自動車にぶつけられて、
大変な目に遭ったとの事。それでもコトル観光は出来たらしいから、まずは目出度しというところか。
と言う訳で、この日の観光は残念ながら無かった。

 
 

(7日目)
ツアーは予定通り遂行され、この日はまずボスニアヘルツェゴビナのモスタルに向かった。来た道を
戻り、再びドブロヴニクの市街を眺め、ストンの城壁を眺めして進んだ。クロアチアには平らな所が
少なく、川の周辺が貴重な耕作地になっている。そして、その為の水路が、縦横無尽に走っていて、
その間が耕作地になっていて面白い風景だ。モスタルに向かう途中、出国と入国のゲートで、長い時間
待たされたが、どうも役人の弁当タイムだったらしい。やっとの事モスタルに入り、世界遺産の石橋を
観光した。

 

モスタルは、その昔トルコが侵略した名残で、トルコの文化が残っていて、モスクも多く見られ、
トルコの土産物が多く売られている。石橋付近の町並みは、まさにトルコの風情がある。屋根は
スレート張りで、路面は綺麗な模様の石畳になっている。ここはトルコ一色で、レストランの呼び
込みの女性は民族衣装を身に纏っていた。石橋は近年復興した物だが、忠実に再現された物だと言う。
学生が多くいたが、石橋のスケッチに来ていたようだ。この地域に来ると、つくづく戦争のむなしさを
感じてしまう。

 
 
 

橋の中央には、川へのダイビングをする人が立っていて、お金が集まるとダイブするらしいが、
残念ながら見ている間には何事も起こらなかった。

 

レストランでの昼食後、約375km離れたクロアチアのプリトヴィッツェへと向かった。時間が押して
いて、夕食に間に合わないと言う事で、途中で夕食を摂ってから公園内のホテルに向かったが、
かなり遅い到着となった。

 

(8日目)
念願のプリトヴィッツェ湖畔国立公園の観光だ。この公園は世界自然遺産になっていて、日本の
テレビで何度か放送され、是非来たいと思っていた所だ。大小16の湖、92の滝が織りなす繊細な
風景だ。まずは上の湖に行った。連絡船で対岸に渡り、そこで遊覧船に乗り換え、ハイキングコース
に出て、そこから歩き始めた。周囲の彼方此方から小さな滝が流れ落ちている。湖水はなかり透明度
が高く、泳ぐ魚がはっきり見える。湖畔を歩いていると、至る所から滝が流れ落ちている。色々な
花も見られた。湖水は底が見えて、色がとても綺麗だ。途中には洞窟も見える。ここの国は全体が
石灰岩で出来ていて、この公園は全体が典型的なカルスト台地だ。

 

 
 
 
 
 

 
 

しばらく歩くと、大滝(ヴェリキ滝)に出た。水量が豊富で、水しぶきが凄い。近くではとても
写真は撮れそうもないので、少し離れた所から写真を撮った。更に歩くと、野草の花々が彼方此方に
咲いていて素晴らしい。離れた所からの大滝もまた素晴らしい。


 
 

その先には、最も有名なプリトヴィッツェの景色がある。幾段もの湖から滝となって落ちる様が、
眼下に広がっている。そこに、カーブした木道が見えるという景色で、パンフレットやテレビで
お馴染みの景色だ。これを見ると、やっぱり来て良かったと思える。

 

ここで一旦入り口に戻って、昼食後に今度は上の湖に行った。再び連絡船で対岸に行き、上の湖
方面に歩いた。こちらも彼方此方から滝が流れ落ち、野草も綺麗だ。暫く歩くと、幾条にも水が
流れ落ちている優美な滝があった。名前はヴェリキ・プルシュタヴツィと言い、舌を噛みそうだ。
その後も滝と花は続いた。最後の方に、野生のクリスマスローズが咲いていた。そして、エコバス
に乗って入り口に戻った。それにしても、こんな大自然を破壊する内戦とは、何の為だったのか。

 
 

 

 
 

プリトヴィッツェを後にして、最後の観光地クロアチアの首都ザグレブに向かった。着後、市内を
歩いて観光した。ここは、ハプスブルクによって造られた街で、その影響が強く残っている。聖母
被昇天大聖堂、トミスラフ広場、聖マルコ教会等を見て歩いた。また、クロアチアはネクタイの
発祥地と言われ、有名なネクタイの店があり、店の前では、飾りのネクタイを背に女性が宣伝して
いた。旧市街の高台からは、町並みを見る事が出来た。公園にはバラの花も綺麗で、道路では路面
電車が引っ切りなしに走っている。夕食のレストランでは、ツアー会社のサービスで、地元では有名
だと言う楽団の生演奏を聴いて、ツアーの最後となった。翌朝には、帰国に向け、オーストリアの
グラーツ空港から飛行機でミュンヘンに飛んだ。途中、アルプスの山々や湖・川が綺麗だった。

 

 
 

 

 

無事羽田空港に降り立った時には、疲れ切っていたツアーだったが、目的は果たしたので、とても
満足している。

クロアチア紀行(完)

クロアチア紀行(2)

クロアチア紀行(2)

(4日目)
オパティアのホテルを出発して、約400km離れた世界遺産のトロギールに向かった。途中、車窓から
古城も見えた。また、トイレ休憩のカフェには、オーナーの趣味だという動物の剥製が置いてあった。
少し先に、アドリア海に注ぐ河口が見え、石灰岩を切り開く荒涼とした景色があった。途中、観光も
しないまま昼食となったが、レストランへ行く途中の建物の壁にある花飾りが素晴らしい。レストラン
の前にもバラなどがあり、赤いスペイン瓦に映えていた。レストラン迄は港の脇を歩いたが、観光船
や港の上に架かる橋の風景も良かった。

 

 

トロギールは旧市街地全体が世界遺産になっている島にあり、市街地内は生活感に溢れている。
中心は聖ロブロ大聖堂で、恐ろしい鐘楼に登ると、街の景色が一望に見渡せた。

 
 
 

次に向かったのはスプリットで、ここも世界遺産に登録されている。ここには、ローマ皇帝ディオ
クレティアヌスの宮殿があり、宮殿そのものが市街地となった所だ。巨大な建物内部が生活空間と
なっており、ほかでは見られない光景だ。一度は廃墟となった所を、整備したという事だ。中心に
ある鐘楼がシンボルとなっており、登る事が出来るが、かなり高いのでやめた。中のドームの遺跡
では、クラパという男声コーラスがアカペラを聴かせてくれる。記念にCDを購入した。宮殿の外
には聖人の像があり、その足を擦ると幸せが来ると伝えられている。周囲の市街地もなかなか雰囲気
があってとても良い。港には大小様々なクルーズ船が行き来していた。

 
 
 
 
 

 

(5日目)
いよいよドブロヴニクに向かった。約280kmの道のりで、車窓からは、石灰岩の山々や、ブドウ畑、
カキの養殖筏等が見られた。途中、ストンに寄り道して昼食となった。メニューは名物の小ぶりな生ガキ
で、その時は美味しく食べたが、後で大変な事になった。街の山には、外敵を防ぐ城壁が巡らされ、
往時の国盗り物語を偲ばせる。ドブロヴニクの新市街の港には大きなクルーズ船が来ていた。




ドブロヴニク旧市街に着くと、バスを降りて歩いて廻った。天気も乳母らしく、スルジ山も目の当たり
に見えた。ピレ門を通ると、城壁への登り口があり、オノフリオの噴水がある。そこでは、今でも水を
汲む事が出来る。そこから旧市街を散策した。土産物屋には面白い人形があった。途中、スポンザ宮殿
に寄ってから旧港に出た。







そこから、ロープウェイでスルジ山の展望台に上った。上から見る旧市街は素晴らしい眺めだ。
新市街も眺められ、その先の島々も見渡す事が出来た。



その後、歩いて下山した。途中には、色々な花が咲いていた。また、下りながら見る旧市街の眺めは
場所場所で違っていて、飽きる事が無い。街全体の様子が手を取るように分かり、屋根の赤い絨毯が
とても素晴らしい。沢山のクルーズ船やカヌーの練習風景も見えて面白い。







 

もうすぐ下りきると言う所に、面白い花の種を見つけた。また、道路の階段なりにテーブルを置いた
洒落たレストランもあった。旧市街に戻って、ホッとして建物を見上げた。道路の雨水溝には、黒い
猫が日向ぼっこをしていた。


クロアチア紀行(3)に続く。